学校事務クロニクル

事務職員の過去・現在・未来

中村文夫 著
A5判 208ページ 定価(本体2,800円+税)
ISBN978-4-7619-2638-0
学校事務職員
学校事務の歴史を過去から未来にわたって一体的にとらえることで、その存在意義を再確認。将来に向けて、事務職員の必要性を模索する。

目次

はじめに
第1章 世界に類をみない学校事務職員の過去、現在、未来
第1節 学校事務職員の過去と現在
学校事務職員制度の始まり
現在の形態は永遠ではない
第2節 学校事務職員、その未来
学校事務職員が学校に付加価値を与えられるために
歴史の振り返りから踏み出す未来
第2章 学校事務職員前史(第1期学校事務職員)
第1節 第1期学校事務職員の登場と学校財政
番組小学校の出納
小学校5万校を計画した学制と社会の困惑
学区取締と学校事務職員
埼玉県の事例
筑摩県、岐阜県、長崎県
全国各地でさまざまな名称と役割で設置
教育令の時代背景
自由教育令期の公選制学務委員
自由教育令期の学校事務職員
学制期、自由教育令期での学校事務職員は、教員からどう見られていたのか
破たんの危機に瀕した開智学校
菊池寛の父親は藩儒を没落し、明治初期には小学校庶務掛
第2節 天皇制教学の浸透と教育行政事務の独自性の縮小
再改正教育令期から小学校令期の特徴
改正教育令による学務委員の廃止
1890年以降の縮小された学務委員の権限
教育行政事務と一般事務との関わり
学校運営に必要な業務はことごとく教員が、という論説
旧制中学校等への「書記」の配置について
学務委員についての文部官僚の見解
税の国家集中と配分、その一環としての義務教育費国庫負担制度
全校児童による兎狩り、そして兎汁をふるまう国民学校
第3章 学校事務職員(第2期)の出発(1940〜1955年)
第1節 学校教育法成立過程から、学校事務職員を法制化した理由
ある学校事務職員の履歴書
戦後焼け跡の子どもと学校
戦後教育理念と学校事務職員
学校教育法における教職員の範囲
教育行政の専門性の重視
学校教育法に学校事務職員を規定した経緯等についての検討
教育委員会―財政の自立なくして、教育の自立はない
悲壮な覚悟で受け止めた自治体
川口プランと任意制教育委員会
超インフレ対策に悩み教育税構想を語った浦和市
公選制教育委員会の2つの課題
第2節 戦後混乱期の学校事務職員は何をしたのか
戦後混乱期の学校現場―島根県簸川郡大社町の組合立大社中学校の設立への関わり
第3節 地教行法体制下の学校事務職員の定着
義務教育費国庫負担法により学校所属が法定された
地教行法への転換とその意味
義務標準法による配置拡大
3つの教職員制度による学校事務職員の形成
第4章 学校事務職員の確立と転換(20世紀後半)
第1節 地域教育制度の変遷
コミュニティ・スクール論と取組の系譜
アメリカの教育委員会の変容
中間的な教育行政機関の縮小・廃止の世界的な傾向
第2節 学校組織強化の過程
学校事務職員のターニングポイントとなった人確法
第3の教育改革の一環としての人確法
1970年代初め、学校事務職員に対する文部省の見方と配置
1949年教特法、1971年給特法、そして1974年人確法
1974年人確法による優遇は、やがて効果が減少する
人確法は、教員を人勧体制から離脱させるねらい
もたらされた学校の荒涼たる景色には、子どもだけではなく学校職員も
学校事務職員の独自文化
人確法・主任制と学校事務職員
西岡武夫の学校事務職員への視点
1980年、90年代、生涯学習への転換と学校機能の軽減
学校事務職員の賃金思想と改善の経緯
学校事務職員の独自給料表という現実と限界
第3節 県費教職員制度という特殊で中途半端な制度の変遷
義務教育費国庫負担制度がもたらしたもの
1979年、大蔵省が仕掛けた第1次義務教育費国庫負担問題
義務教育費国庫負担制度を維持する文教関連団体の取組
「明るい未来があるとすれば」
学校事務職員と学校栄養職員の道は分かれた
学校事務の共同実施という中二階制度が始まった
第4節 職務あるいは学校事務労働
学校事務の4領域
総務事務領域、かつては筆頭の業務であった
煩雑であった給与現金支給事務
人事給与システムの高度化と教職員人数の減少により総務事務は縮小の一途
学校財政領域への重点移行
1970年の文部省『わが国の教育水準』から読み取る
国家からの補助が削減された20世紀後半の時代
教材費へのまなざし
税外負担の禁止
学校事務職員の中心的な職務は学校財政
東京都「学校運営費標準」
1984年、中野区準公選制教育委員会に連動したフレーム予算
学校徴収金という学校病理
1990年代、新自由主義の始まり
第5章 学校事務職員の変質 新自由主義的展開
第1節 21世紀の地方教育行政の課題
2000年以降の課題と見通し
21世紀初頭―日本のコミュニティ・スクール―
学校への金銭・労務提供の組織化
日本の地方自治制度での公教育の進め方の配慮
第2節 変容する学校職場
2002年、第2次義務教育費国庫負担制度問題
多様な任用の多様な学校職員が増加
「学校・教師の働き方/働かせ方改革」のねらいは「教師」労働の質転換
「学校・教師の働き方/働かせ方改革」の中で、学校事務職員が期待されたこと
学校事務の共同実施が広がっても、「学校事務」任用は変わらない
第3節 学校事務への新たな視点
教育財源としての教育税
普遍主義に立つ子どもの貧困対策
公費予算の拡充・改善と私費の根絶
無償化を展望した就学援助等の改善
第6章 学校事務職員の未来は…教育は学校を必要としていない?
第1節 広域通信制高校からみえる未来の学校は遠隔教育、小規模学校はサテライト
柳田國男の言葉を思い出す
拡大する広域通信制高校
通信制高校の運営と財政基盤
牢獄管理から情報管理に手法の転換
首都圏でも公立高校が消えていく
義務制の通信制学校の可能性
経産省「未来の教室」と文科省「Society5.0に向けた人材育成の推進」
学校運営の情報化・機械化
リアル学校からバーチャル学校へ
第2節 「21世紀学校事務4領域」の提言
「学校があるのが当たり前、学校に行くのが当たり前」の持続
学校の付加価値を高める学校事務4領域の提案
総務事務縮小、そして陽だまりの事務室
東京都の学校事務に迫る総務事務改革
まちづくりと一体の学校―地域の目が不断に注がれる―
普遍主義の教育福祉
教育の無償化に向けた学校財政
参考文献
あとがき
著者紹介

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