置き去りにされた高校生たち

加速する高校改革の中での「教育困難校」

朝比奈なを 著
四六判 224ページ 定価(本体1,800円+税)
ISBN978-4-7619-2488-1
高校教師,その他一般
大学入試改革、学習指導要領改訂と改革の続く高校で、置き去りにされた高校生はいないか。教育困難校の実態から高校改革の課題に迫る渾身のルポ。

目次

はじめに
第1章 「教育困難校」の今
1 「教育困難校」とは何か
出身校名を隠す「教育困難校」卒業生
「教育困難校」の偏差値レベルは?
「教育困難校」という選択肢しかない
2 授業は怒声から始まる
教室はカオス
報われない努力
3 鬼門は英語の授業
アルファベットが書けない理由
ご褒美は動物スタンプ
ますます開く英語の能力差
4 教師はどう感じているのか
授業の工夫は教師自身のため?
試験勉強にも独特のルールが存在する
定期考査は貴重な勉強の機会ではなかったのか
5 「教育困難校」の教師と生徒たちの特徴
4タイプの生徒たち
4タイプ混在に振り回される教師たち
「教育困難校」特有の教師の忙しさ
続発するアクシデントに振り回される
6 最も困難な「生徒指導」
尋常ではない「生徒指導」
コミュニケーションの取りづらさ
7 学校の指導に課題も
厳しい指導が有効?
厳しい指導に翻弄される生徒
「問題行動」の背景に気づけない学校
生徒の特性をどれだけ見極められるか
第2章 「教育困難校」の存在意義
1 就職指導の実態
志望企業は妥協の産物
高校生の就職活動のシステム
具体的な仕事内容が分からない
最大の関門は志望動機
面接指導も難しい
2 学校の事情で進められる進学指導
大学進学者数の増加は高校の願望?
教師のやっかみ
大学進学で試されるのは実は教員
専攻分野を決めることが最難題
安易な専門学校進学という選択
3 「幸せな家庭」への渇望
家庭と家族への強い関心
家庭を巡る様々な困難
愛を乞う生徒たち
足早な恋愛の被害者は女子生徒
「温かい家庭」に憧れてしまう生徒たち
要因は「愛着障害」か
4 「教育困難校」に存在意義はあるのか?
人のたしなみを身につける場として
社会の治安を守る場として
意外なほど「優しい」生徒たち
優しさを社会で活かせるようにする場として
「高卒」の「資格」を与える場として
予想以上に厚い「壁」
第3章 「教育困難校」にたどりつく中学生たち
1 低学力に陥る理由
義務教育で芽生える困難
家庭環境が生む多様な困難
学びの機会の不平等
発達の問題が生む困難
増え続ける不登校の子どもたち
2 絡み合う困難さ
洗濯かごが唯一の居場所―D君の場合
「鬼太郎の髪型」が落ち着く―R君の場合
自転車に救われて―T君の場合
「才能がもたらす困難」―Mさんの場合
同級生に傷つけられて―Eさんの場合
学校だけでの対応は限界に
第4章 高校教育改革の激流の中で
1 足早に進められる教育改革
進む、貧困へのサポート
広がる学習や通塾のサポート
貧困救済活動が拡大する中で
進められている高校改革
2 高校教育が向かう先は
新学習指導要領・高大接続改革への期待と疑問
新テストのゆくえと懸念
「基礎診断」への期待
学習指導要領改訂は現場だけの問題ではない
理念実現のためにも環境整備を
おわりに

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